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「ガウディとサグラダ・ファミリア展」を見に行ってきました。

2023/09/13

久しぶりの投稿になります。伊藤です。

お盆休みに東京へ行き、気になっていた「ガウディとサグラダ・ファミリア展」を見に行けたので簡単にご紹介したいと思います。

 

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展覧会を見るまでは、サグラダ・ファミリアはガウディが設計し世界遺産に登録された聖堂ぐらいの事しか知らず、建設された背景なぜあのようなデザインになったのか等、深い知識はありませんでした。

 

そのような状態だったので、色々と学びの多い展覧会でした。

まず、サグラダ・ファミリアは「聖家族贖罪聖堂」という正式名称があることを知り、「贖罪」とは貧しい人々がさらに犠牲を払って献金することで、自分の罪が洗われるという意味があるとの事です。

 

当時は産業革命で裕福な資本家を出現させた一方で、生活苦にあえぐ貧困労働者層を生み出していました。貧しい人々を救うための教会としてサグラダ・ファミリアは計画されたそうです。

 

人々は貧しいながらも日々のお酒やたばこの量を減らし、その分を献金に回し現在の敷地を購入したと着工までたどり着いたことを初めて知りました。

 

また、ガウディは初めから工事に関わってたわけではなく、2代目建築家であり就任当時は31歳と若くまだ無名だったそうです。当初のデザインを踏襲しながらも自分のテイストを織り込み、今のサグラダ・ファミリアの形になりました。

展覧会では、様々な図面や模型、映像を通してガウディのデザイン性や仕事ぶりを見ることができました。

 

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その中でガウディは「何事にも過去になされたことに基づくべきだ」と歴史上に出現した建築の形を発見することを唱え、スペイン特有のイスラム建築の研究や、中世ゴシックをはじめとするリバイバル建築に取り組んでいたことが分かりました。

 

そして自然界を観察・研究することで植物を象った装飾や、放物線をはじめとする局面の造形や幾何学的法則、生き物の形を想起させる有機的なフォルムの家具が生まれ、洞窟もガウディの建築の重要な発想源となっていることも知ることができました。

 

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展示の最後にはガウディの人柄が分かる名言や職人さんとの関係性が分かるエピソードも紹介されていました。

 

ガウディは弟子の一人に「私の唯一の、長所は、私のもとで働いている人々の一人一人が仕事を充分にできるよう、彼らの能力を引き出すこと」と述べており、人々を適材適所に仕事を割り当て、立場に関係なく誰とでも会話をし、お互いをあだ名で呼び合い、制作者のプライドや感受性を害する言葉は用いずに、お互いを尊重する組織を作っていたそうです。

 

一人一人の日常が生き生きとすることで現場が活気づき、建築や彫刻に生命が宿り、それが見る人を魅了しているのではないかとエピローグに綴られていました。

 

ガウディ亡き後もこの習慣は引き継がれており、時代を越えた普遍的なものづくりを学ぶことができた展覧会でした。