今を生き生きと vol.4
2009/12/08
寺島実郎さんが誌上に
今という時代は、平板な情報であればネット検索でキーワードを追いかけるだけで、誰でもあるレベルまで到達できます。
しかし –中略–
世界を知るための本当の力は、誰も教えてはくれません。これまでが「高度情報化社会」だとするならば、2010年は「高度学習社会」を生き抜く主体的な意思が個人に求められるでしょう。
例えば –中略–
お金を支給すれば瞬間的な拍手は起こっても、長い目で見れば政治をポピュリズムに陥らせる危険性があります。
格差や貧困に手を差し伸べ、弱者を守るのはもちろん政治の役割です。しかし個人が自らの人生に責任をもたなくてよいわけではありません。2010年、国民は政治により建設的な政策を求めるでしょうし、個人もまた、自分が責任を負うべきものを問われます。その答えを導くためにも、知る力が必要なのです。
2010年、私たちは人生の責任をもつことができるのでしょうか。
だからこそ身近な仲間から一人一人対話することから始めたいと思います。
朝日新聞2009年12月8日より