古民家再生
2022/02/15
昨年度から今年度にかけて古民家再生を二件続けてさせて頂いております。
一件目は田園風景の素晴らしい農家の耕作機置場を解体し、物置の二階の床を取り外し、大きな梁組を見せ、吹抜けの大空間としました。その後、施主様が薪ストーブを置かれ「パチパチ」と薪の音や薪の火を愛でながらの施主様との会話は「豊かさ」や「安堵感」つまり「心地よさ」を覚えました。
二件目は旧市内に鏝絵のある民家で原爆の爆風にも耐え百年前に建てられた民家です。卯建を生かし、白の漆喰と黒の横板をモノトーンに仕上げ、玄関は青のタイルと黄の壁で仕上げ、外部と内部をがらりと変え(新潟でのカール・ベンクス氏との会話より)、居間からキッチンに入ると勾配天井の梁組をベンザラで塗り、壁は白のじゅらく調で調和させます。
あっという間の人生の貴重な「時間」を大切にし、「空間」と云う価値を私達の技術で表現出来る幸せが施主の方々に感謝申し上げます。
『夢想は経験より強し』ガストン・バシュラールの言葉を今、思い出します。
※カール・ベンクス/ドイツの建築デザイナー
※ガストン・バシュラール/フランスの哲学者